現在ライブ及びレコーディングで使用している楽器・機材の紹介です。すべて、僕の右腕となってサポートしてくれる頼れるものばかり。高価なものもあれば、安価なものもあります。
では、さっそくメンバー紹介を…
3年間待ちこがれて手に入れた、シェルドン・シュワルツ氏入魂の一品。
2007年、僕のトロント(カナダ)でのライヴで初めて会い、意気投合したシュワルツ氏。ライヴ後、「ぜひ、マサ用に一本作らせてくれ」と興奮した面持ちで語ってくれた時は嬉しかった!
彼いわく、「実際に演奏を聴いて、見て、即、材とかギターのイメージが湧いた」ということで、僕のほうから材とか形状などの要望は出しませんでした。ただ、「3年くらい待ってもらうことになるけど…」と聞いたときは「え〜っ?」と思いましたが、でも、その待ち時間の甲斐があり、細部に至るまで見事な仕上がりで大満足です。
サイズは小ぶりですが、音的にもバッチリ! また、緩やかなカーブをほどこしたアームレストがあり弾きやすさにも気配りがしてありますし、フレットにはすり減りにくい材が使われていたりもします。そして、ヘッド、指板、ブリッジにはブラジリアン・ローズウッド、インレー用の貝殻にはマザー・オブ・パール/ブラック・マザー・オブ・パール/ゴールド・マザー・オブ・パールなど上質な材料が使われています。ピックアップは、最近お気に入りのフィッシュマン・マトリックス・ブレンド。
ヤイリ・ギターの名工、Ken Koike氏による、住出カスタム・モデル。
「アメリカが憧れ続けたギター」と言われるAlvarez・Yairiの特注品です。名工・小池健司氏の作品だけあって、とにかく作りは細部まで丁寧。ひと目で“美人”と分か ります。特徴は、まず、オリジナルのダイレクトブリッジ。トップ版への振動の伝わりがよく、加えて音の伸びもよくなるという優れものです。そして、ネックは結合部分の大半が本体に埋め込まれたような形になっていて、高音域でのプレーを容易にしています。音のほうもバッチリ! ピックアップは、B-bandの貼り付けピエゾとLR Baggsのアンダーサドルのピエゾの混合。
住出勝則の要望を盛り込んだ、スモールジャンボのMasa Sumide Model。
材は、いわゆる“王道”と呼ばれる組み合わせで、パワーと繊細さを兼ね備えた一品。よって、バラードからハードな曲までカバーできる万能ギターと言えるでしょう。深く切れ込んだカッタウェイのお陰でハイポジションまで指が届きます。ネックサイドのポジションマークは直径3mmと少し大きめにしてありますが、これは視力(老眼!?)をカバーするため。あと、12フレット上には可愛らしい犬の足跡のインレーあり!
ドイツの手工メーカー・アルバートミウラーによる、約16インチ幅を持つオリジナル"S"モデル。
なんと言っても、このギターの特徴は低音の豊かさ。深くてどっしりとした感じ。少し細めの弦(カスタム・ライト)を使用しても十分に胸に響きますし、低音部が安定している分、しっかりと中・高音部を支えてくれます。また、ネック幅、厚みともに“日本仕様”にはなっていないのですが、日本人にもフィットして握りやすいです。
T’S GUITARSによるカスタム・モデル。
日本人ルシアーによる繊細で丁寧な仕上がりの逸品。上記2本よりは小ぶりなタイプですが、標準モデルよりもボディー厚を5mm程度深くしてもらったお陰で低域の安定感が増しています。じっさい、レコーディングの際にはStevensよりも低音が際立つほどでした。生の出音はボディーのサイズも影響して上記の2本ほどは大きくありませんが、高音部に関してはシダー独特のクリアーで少し硬めの音が好い効果を出しています。加えて、特許モノのチューニング・システムのお陰で、チューニングもバッチリ! 気分よく演奏に集中できます。12フレット上には「魂」のインレーあり。
現在(2009年7月時点)、メインで使用しているAlvarez・Yairiギターに取り付けられている。ピエゾ・ピックアップ(アンダーサドル)とコンデンサー・マイクをブレンドするタイプ。
ここのところ、意識的にコンデンサー・マイク付きのピック・アップを避けてきたのですが(フィードバックなどの理由で)、このピック・アップを使用している友人のギタリストの音質とバランスを聴いて、「これなら、いける!」と直感しました。
結果は「大正解!」。まず、心配の種だったマイク部分のハウリングですが、マイクをサウンド・ホールあたりに極端に近づけなければ、 まず、ハウリングの問題は避けられますし、たとえフロント・スピーカーが演奏位置から近くても心配はいりません。フィードバック対策として「フェイズ・スイッチ」がついていますが、今のところ、この必要性は感じていません。プラス、マイクのボリューム・バランスもけっこう上げられます。また、小さなプリアンプの裏側に音質を変えられるスイッチがありますが(「低音持ち上げ気味」と「ナチュラル」)、これはナチュラルのほうでも十分に低音はカバーできます。あと、マイクの基本となるボリュームは「トリム」で調整できます。バランスに関しては、コントローラーをピエゾ側に100%寄せると、出音もピエゾのみになりますし、マイク側に関しても同じです。が、ピエゾを80%くらいのバランスで、しかもマイク音も十分に出したい場合など、先ほどのトリムで調整(マイクのボリュームを上げる)すれば可能なわけです。このトリムは、一度慎重に調整すれば、あとはピエゾ⇔マイクのバランサーの割合調整のみでOKです。
どんなピックアップであれ、使用ギターとの相性やら演奏スタイルによって向き・不向きがあるかと思いますが、僕の場合、このマトリックス・ブレンドは、これまで使ったモノの中では最良の選択だったと思っています。しかも、ノイズの心配がないのもうれしい!
アンダーサドル・ピエゾと貼り付け用の2系統のピックアップ。プラス、出音をミックスできるコントローラーと小さな内臓プリアンプで1セット。
これまでピエゾというと「良くも悪くも癖のある音」という印象でしたが、最近のものは少しずつ改良されてきていて、バランス、音質ともに僕の演奏形態に合っているように思います。もう1つ、コンデンサー・マイクとのセットもありますが、こちらの方はハウリング対策(バランスにもよりますが)が必要となりますね。が、“エアー感”はこちらのほうが勝っていますので、まぁ、どちらを選ぶかは好みの問題かもしれません。
僕の場合、パーカッシブな音(ボディーを叩く音)を拾うために貼り付けピックアップのバランスを上げ気味にしますので、コンデンサー・マイクのほうを使うとハウリングに悩まされるんです。そこで、対策用にフィードバック・バスターというゴムでできたカバーをサウンドホールに装着するわけですが、ハウリングが軽減されるのはいいのですが、出音が変わってしまうのが難点なんです。ので、現在は貼り付けピックアップのほうを使用しています。これだと生音も聞こえやすいですし、出音も比較的ナチュラルな感じになります。が、先ほど言った“エアー感”はなく、より直接的な出音になります。
1チャンネル、2バンドEQ(高・低音)、中音域コントロール用Shapeスイッチ、フィードバック対策用フェーズスイッチ、ノッチフィルターなど装備。
小さくても大きく頼れる凄いヤツ——それが「DI Plus」です。
米国の「ウルトラ・サウンド」という有名なアンプ製作会社から出ている優れもののプリ・アンプ。まず、作りが頑丈なのに驚かされます。これならハードな移動や使用にも十分耐えることができますし、安心感も得ることができます。サイズも持ち運びに最適。
で、肝心の音のほうですが、その作りと同様に、すごくしっかりしています。まさに、「つないだだけで音が良くなる」という一品で、そこから音質、音量レベルなど、自分で最適なセッティングに調整もできますので、さらに全体の音質アップにつながります。電源は、アダプター(別売)、9V電池、そしてミキサーからのファントムパワー(48V)に対応しています。他に、センド・リターン、XLRアウト/フォーンジャック・アウト(共にレベル調整可)、チューナーまたは外部アンプ用のinstrument outputを装備。ノイズ・レベルの低さもありがた いところです。
「DI MAX」という上位機種もあり。
※製造終了品
残念ながら、すでに製造中止になってしまった一品。このプリアンプの良い点は、アコギ用に特化していることはもちろんですが、ステレオ・インプットを装備しているところと、9Vの電池2本でも作動する点。もちろん、XLRアウトと通常のフォーンジャック・アウト(L/R)も付いています。大きさも持ち運びには便利なサイズですし、使いやすいです。
18ビット内部処理。手軽に高品位なサウンドを得ることが可能。
1万円前後で買える安価なものですが、意外とタフ。安価な分、プリセットができないとか、コーラス系と一緒にリバーヴが使えない(つまり、2つ同時はダメ)とかありますが、十分に使えます。しかも、ステレオアウトプットになっていますので、これを利用すれば広がりも得ることができます。が、モノで使うと少しモコっとした感じになりますので、やはりステレオで使いたいところ。費用対効果は高い! 他にも、持ち運べるサイズの様々な機種を試してみましたが、結局、このナノ・ヴァーブに戻ってきます。やっぱり相性がいいのかな。
Dean Markleyの特許製法であるMC394K BRIGHT COATの採用でコーティング弦にありがちな「こもり」を解消し、明瞭な鳴りと長い寿命を実現。
この弦の特徴は、長持ちする上に滑りやすくスムースに運指ができるという点。僕の場合、ゲージ的には「カスタムライト」という少し細めを愛用しているのですが、4弦と5弦にはライトゲージと同じ太さのものが使われている点がミソ。全体的なテンションもほどよく、パンチのあるサウンドがgood! ちなみに、僕のギターは、すべてこの弦に合わせて調整されています。
『中村製作所』によるこだわりの名品。
これまでシールド関係には意外と無頓着だった僕ですが、このシールドを使うことによって、音の違いとともに、シールドの重要性を再認識しました。思えば、いくらアコースティックと言ってもライブでは電気的に音を再生しているわけですから、その音の道筋でもあるケーブルが大切なのは言うまでもありませんよね。 そう、ケーブルも楽器の一部です! オーディオ関係でも、スピーカーまでのケーブルを良質なものに換えると音が良くなると聞きますし、これからはケーブルに関しても意識を上げていったほうがよいと思いますね。
あと、僕はM103という、同じく『中村製作所』から出ている電圧測定器兼ノイズ・リダクションも使用しています。これは、電源延長コードタップにすっぽりとはまる小さなもので、電源ノイズも軽減してくれるすぐれモノです。
きわめて重要、演奏の生命線。
「右手の爪」の長さはいつもこれくらいです。これより短くても、長くてもダメという微妙な長さを保っています。もちろん、これは“自爪”で、付け爪は一切使っていません。そして、親指のツメは伸ばしません。ので、常にギリギリまで切ってあります。ギタリストにとって爪は命。よって常に管理には気を遣うわけですが、僕の場合、生まれもって爪が強かったみたいで、この点は両親に感謝しています。が、まったく減ったり割れたりしないわけではありませんので、それなりに気を遣いますが…。 とくに注意するのは、それぞれの爪の左端部分(右手を上から見たとき)ですね。僕は、まさに弦に“アタック”する感じでピッキングしますので、この部分がスムースになっていないと弦に引っかかってしまうんです。じっさい、何回かライブ演奏中に引っかかってしまい、リズムが崩れたことがありました(冷汗)。
「左手の爪」はすべて切ってあります。やはり、伸びてくると弦がきちんと押さえられないとかありますので、常に短め。左手は右手ほど気を遣うことはありませんが、ただ、深く切りすぎるのは禁物ですね。身の部分と爪の間が少し剥がれて血が出たりすることもありますので。チョーキングとかビブラートを多用すると危険です(笑)。痛いよ~!
詳細は不明ですが、どこの楽器屋にでも売っているもの。
僕は古い人間なのか、チューニング用には「音叉」がしっくりくるんです。もちろん、いくつかデジタル・チューナー類は持っていますし、ライブで使ったこともありますが、なぜか落ち着く先は「音叉」! あの“ピーン”という響きが、またたまらんなぁ(笑)。ただ、僕は通常のチューニング(A=440)から、全弦半音下げてチューニングしますので、実音で合わせる時は5弦の1フレットを押さえてやります。あと、ステージ上では「耳」の感覚で合わせますので、機械類はもちろんのこと、音叉も使いません。
「Chukan」はメーカー名。台の裏側に書いてありました。
メーカーとか作りの話は別にして、いかにギタリストにとって(座って弾く人)、このフットレストが大切かをお話しておかなければなりませんね。というのは、椅子に座ってギターを持った時の感覚やら“しっくり感”(ギターとの一体感)の具合によって、その日の演奏の質が左右されることが多いからです。もちろん座る椅子(これも同じくらい重要!)の高さとの兼ね合いもありますが、フットレストは非常に重要な“楽器”の一部と言えるかもしれませんね。そうです、ただ単に足を置くモノではないんです。