オーストラリア滞在中、もちろん苦い経験ばかりではありませんでした。くじけかけた時に、暗~い感じの雲がサッと晴れるように、手を差し伸べてくださった人たちがいたことも事実です。
あるカフェでの出来事。演奏させてもらえることは有難いのですが(異国ということで、より感謝の気持ちが強い)、悲しいかな、まったくと言っていいほど聴いてくれない・・・完璧に飲食(+おしゃべり)がメイン。ライヴ演奏など「付けたし」そのもの扱い。オマケに、店員などもほとんど僕のことを無視状態で、堂々と僕のすぐ前を横切っていく始末。基本的にアーティストに対する「リスペクト」が感じられない状況での演奏はさすがに辛いのひとこと。「でも、オレはプロやから…」という気持ちを持続しようとすればするほど、「誰も聴いてへんから、もうええわ~」と相反する諦めの境地に陥ってしまう自分がいる。
しかし、そんな時に限って、必ず、隅っこで真剣に聴いていてくれる人がいるんですよね。演奏後、さりげなく寄ってきて、「マサ、君の演奏は個性的で抜群だったよ。楽しかった!」と涙がでそうなことを言ってくれる。チップもくれたりする。もちろん飛ぶように嬉しいのですが、同時に、猛省を迫られる思いが胸を締めつけるんですよね・・・「お前は、魂のこもった演奏をしたのか?」と。
以降、これに似た状況は続くのですが、いつも「忘れてはならないこと」を頭の中において演奏していました。それはもちろん、「どんな状況でも、必ず、真剣に聴いてくれる人がいる」ということ。たとえ、それが一人だったとしても。
この気持ちは今も変わりません。幸い、日本ではきちんと聴いてもらえますので、その点での心配はあまりないのですが、あとはすべて演者の問題かな。何回もライヴをやっていると忘れてしまいがちなことが多いんです。例えば、いつもお客さまは新鮮な気持ちで来られること、それぞれ色んな思いを抱いて来られること、などなど。
とにかく、僕は「どんな状況にあっても”プロの仕事”をする」という心的態度を持ち続けたいと思っています。最近は歳とともに度忘れすることが多いですが(笑)、このことだけは、ステージに立てる間は忘れることはないでしょう。
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熱いハート、感動しました。
やっぱり、住出さんはかっこいい!!
演奏も、ハートも!!!
これからも、熱い演奏、聞かせてください。
オーストラリアでの苦労話はよくライブでもMCでされていますよね。僕も住出さんのされる話で好きな話です。
音楽に限らず人前で何か表現する時はプロアマ問わず、とても大事な心構えですよね。
5月の西明石ジャカランダでのライブは予約していたんですが母の急死のため行けませんでした。また是非住出さんのライブを見たいと切望してます。体に気をつけて益々ファンキーなギターを聞かせてくださいね。