昨日は、安田裕美さんの訃報に触れて、さすがに寝苦しく、今朝は早く起きてしまいました。最後にお会いしたのは、2018年11月17日。その夜も「ギター談議」で盛り上がり、ついついお酒も進んでしまったり・・・僕にとって、経験値と演奏レベルの高い方から聞けるお話は、かけがいのないものでした。口調といい、振る舞いも、ただただ優しい方でした。
シグナル時代は、スタジオの録音ブース越しに安田さんを見つつ「どうして、初めて演奏する曲でもあんなにスムースに、しかも歌を邪魔せずに弾けるんだろう・・・」と感心するとともに、不思議に思っていました。で、譜面を見せていただくと、ほぼ「お任せ」だったりで、更にビックリ。カポタストをするのも、アレンジャーの指定ではなく、個人の判断だったようです。この事に関しては、何度も直接質問したのですが、返って来る答えは、いつも「マサ、それは【慣れ】だよ」でした。くしくも、吉川忠英さんに同じ質問をしても同じ返答でした。「慣れ」かぁ・・・実に深いですね。そんな話しに花が咲きつつ、僕のギターのことを褒めてくださったり、逆に「あそこは、どうやってるの?」諸々、質問されたり・・・思い出はつきません。たしか、その夜だったと思いますが、「また一緒に何かやりたいね。次は、録音でも」とも言っていただいたのですが、実現せず、でした。僕は、とにかく、安田さんの抑揚に溢れた甘いギターの音が好きでしたし、アンサンブルでの出入りも好きでした。出過ぎず、引っ込み過ぎずの絶妙なバランスが。加えて、徹底的に裏方(サポート)に徹する姿勢にも感動しました。
まだ昨日の今日で気分は重いですが、何回かお会いするたびに安田さんに対する僕の気持ちはお伝えすることができたので、その点では悔いはありませんが、もう二度と会えない、また、あの「いい話し」が聞けない、演奏も聴けないという点では、悔いどころか、ただただ悲しみがつのりますし、残念でなりません(涙)。
安田さん、どうか、安らかに御眠りください。改めて、心より、ご冥福をお祈り申し上げます。そして、これまで僕のために与えてくださった貴重な時間、思い出に深く感謝いたします。
最後に・・・・・・・安田さんの「音魂」を胸に、残された音楽人生を歩んでいきます。どうか、見守っていてください。
合掌。
住出勝則
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