ドイツ・ツアー記 (4)

11月6日(土)】いよいよツアー開始。初日はオランダのEnschedeという所。ドイツ到着以来ベースとなっているオスナブリュック(以下、オスナ)から100km前後ということで、日帰り。出発は15:00。その前に、3人でランチへ。スープがおいしかった~。時間通り、ピーターの事務所のインゴーくんがツアー・バス(ベンツ!)で到着。日本人同様、ドイツ人は時間を守ってくれるのが嬉しい。彼は、運転、オープニング・アクト、CD販売など雑用も含めてツアーをサポートしてくれました。アメリカに住んでいたのか、英語は米語系で完璧にバイリンガル。うらやましい~! 

一路、高速道路(アウト・バーン)を通ってオランダへ。スピード制限なしの道路の高速レーン(左側)はものすごいスピードの車が行きかう。おそらく250km以上かもしれない。僕らのバンでも150km前後は出てるはずだけど、それが60kmくらいに感じてしまうから恐ろしい・・・新幹線なみです、ほんとに。とくに、フェラーリ系、BMW系の車は速い! 風圧で乗ってる車が揺れるんですから。国境でチェックでもあるのかなと思いきや、なんにもなく、気が付いたらオランダへ入ってました(笑)。あったのは、昔、国境のチェックポイントだったというゲートのような建物の名残りだけ。海に囲まれた日本では想像しにくいですが、地続きで国がつながっていて、しかも、行き来自由というのはなんとも便利。オランダに入ると、少し風景が変わった。標識とかの文字が違うのは当たり前ですが、家の感じとか、木々の感じが少し違うくらいで、あまり“外国”へ来た感じはしなかった。

さて、今夜の会場は立派なホールの小ホール。サウンド・チェックでは、僕以外の人たちが生マイクを使うということで、出音のボリュームを合わす必要がありました。ので、会場のわりには小さめの音で行かなければなりません。僕の場合、表の音(ホールからの音)をステージ上で聞きながら演奏するタイプなので(モニターの音は好きではない)、ある程度のボリュームが必要なんですが、4人で1つのチームなので、ここは大局的な見地に立って、周りに合わすことにしました。
今夜の入りは6割り程度で、お客様の年齢層も高かったけど、すごく好いお客様でした。最後はスタンディング・オベーション!

ちなみに、コンサートの構成ですが、一部の最初にインゴーくんが1曲オープニングで演奏→イヴギニー3曲→僕3曲→ヴェロニク3曲→ピーター3曲→休憩→二部の最初はイヴギニー1曲→僕1曲→ヴェロニク1曲→ピーター1曲(全員居残り)→もう一度別曲で繰り返し→僕+ピーターのセッション→イヴギニー+ヴェロニクのセッション→3人でのセッション→アンコール(イヴギニーのロシアの歌を3人でサポート)という流れでした。以降、ツアーはこの形で進行。

ホテルへ戻ったのは、12:30 am・・・

11月7日(金)】今日はKolnへ向かう。ひとまずチェックアウト。3日後にまたオスナへ戻ってくるということで、フロントに荷物を預けて、身軽な感じで13:00に出発。現地到着後、チェック・イン。そして、しばし休憩。ピーターとのセッションは♪Summertimeに変更。サウンドチェックではいい感じだった。今夜も6割り程度の入り。と言っても、僕が日本でやるライヴよりはるかに多いです(笑)。でも、しっかりと静かに聴いてもらえるので嬉しい。この点は日本と似ているのかな。アンコールは2回もあった! ホテルへ戻って、地下のバーで軽く打ち上げ。ドイツ・ビールとツマミで盛り上がる。ピーターも機嫌よく、ジョークの連発。そして、それぞれ一発芸&かくし芸の披露となり、部屋に戻ったときは、すでに25:30となっていました!

つづく 

ドイツ・ツアー記 (3)

11月1日(土)】10時くらいまで眠れた。でも、朝食に間に合わず、昨日からとっておいたバナナ1本で済ませる。今日のスケジュールは夕方の取材のみ(現地のギターマガジン)なので、しばし“ひとり観光”へ。ヨーロッパそのものの古い町並に絵心をくすぐられる。メインの商店街は土曜日とあって混みあっていたけど、歩くのが気持ちいい。美人が多いのには、思わず口があんぐり・・・ランチはマックで済ませた。ホテルで貰った市内地図を手に歩いていたけど、やっぱり、方向音痴の僕としては途中迷ってしまった(笑)。でも、小さな町なので、歩いているうちに振り出しに戻って、思わず「♪ラッキー!」。

その後、フェス会場へ取材を受けるため徒歩で向かう。写真のほうは昨夜のライヴ/ライブ後に撮影していたので、今日は話のみ。影響を受けたギタリストの話とか、ギターが好きになった経緯などなど聞かれました。2ページくらいは割いてもらえるそうです。この後、会場のロビーの楽器展示会場をブラブラ。奥のほうで、アルバート&ミューラーのブースを見つけ、担当者と挨拶を交わす。昨夜のライヴを見てくれたようで、「よかったよっ!」と、きつめの握手を受ける。僕が、ドルフィン・ギターズさんを通じてA&Mギターを弾いてることなどなど、つかの間の談笑。

ホテルに戻って、しばし練習。市内を歩き回って刺激を受けたせいか、急に、♪Precious Moments(廃盤のCD “Shadow Dancer”に収録されている)がよみがえってきた。「ん~? これは、何かのお告げか?」ということで、一気に、感情のおもむくまま再アレンジ。ヨーロッパの色を意識的に出そうとしたわけではないけれど、環境のお陰か、自然とその方向へ行ったようです。ぜひ、次のライヴでお披露目したいなぁ。夕食は町へ出るのが面倒だったので、また例の中華へ。唯一、「カレー」と表示してあったのを注文したら、たしかにカレーっぽいけど、妙な色のものが出てきた(笑)。でも、こういうのも楽しみのうち。気にならない。

11月2日(日)】今日から5日まではオフ! フェスの方は今日が最終日。6日からは連続のツアー(The International Guitar Night Tour)に入るので、しばし、気分転換のため観光客気分に浸ることに。お気に入りのオールド・タウンへ向かう。スターバックスを見つけて、僕の好きな“チャイ・ラテ”でリラックス。町は日曜日のせいか、人が多かったけど、活気があってよし! けっこう歩き回った後、ホテルへ戻り、しばし練習&休憩。夜は、ここのところしっかりとした食事をしていなかったので、またオールド・タウンへ出かけて、ちょっと高めのレストランへ。夜景がすばらしい! 高い建物がないのがいい。ビール2本、サーモンのグリル+海老+ほうれん草を注文。うめっちゃ、うまかった~! 久しぶりに「食った~」という感じでした。

11月5日(水)】昨日買った英語のペーパーバックのスリラーが面白くて、ランチに外出することなく読むことに。そして、明日からのツアーへ向けて練習。ここ数日間けっこう時間があったせいか、なんと、新曲が2曲もできた~! 1曲はミディアム・テンポのグルーブ系で、もうひとつはバラード。この後、1曲目のほうは何回かツアーで演奏することに。僕的には気にいっていますぅ。ピーターから電話が入る。彼と話すのは数日ぶり。忙しいだろうと思っていたので、こっちから連絡をすることは控えていました。明日からのツアーの共演者が到着したので、顔合わせ兼セッションの練習がてら、彼の経営するコンサート・ホールのルーサー・ハウス(+オフィス+録音スタジオ)へ来てくれということで、奥様が20:00に迎えに来てくれました。共演者は、ロシアのイヴギニー・フィンケルシュタインとベルギーのヴェロニク・ジレ。二人ともクラシックのギタリストです。「クラシック」と聞くと、なんか、頭が固くで“うるさ型”の人たちかなぁ、という少なからず偏見をもっていたのですが、ごくごく普通のフレンドリーな人たちだったので、ひと安心。まぁ、向こうにしてみれば、日本のマサ・スミデって、どんなヤツやねん、という不安はあったでしょうが・・・(笑)。

で、ピーターとのセッションは♪Tears In Heavenで決定。そして、全員のセッションは♪Mercy Mercyで行くことに。僕としても、こういう組み合わせのライヴは初めてなので、明日からのツアーの展開が楽しみ。

つづく